今回は、不動産投資に挑戦したものの資金計画の甘さからローン返済が滞り、苦しい経験をされた佐藤健さん（仮名、現在40歳、当時35歳）にお話を伺いました。
不動産投資に興味を持つ方々にとって、計画性やリスク管理がどれほど重要かがわかる内容になっています。
佐藤さんがどのように失敗を経験し、そこから何を学んだのか、その詳細を共有します！
不動産投資を始めたきっかけ
――佐藤さん、まず不動産投資を始めようと思ったきっかけを教えていただけますか？
「きっかけは、友人が不動産投資で毎月の家賃収入を得ている話を聞いたことでした。その友人が『ローンを組んでも家賃収入で返済できるから実質タダで物件を手に入れられる』と熱心に語ってくれて、僕もそんな風に資産を増やせたらいいなと思ったんです」
――なるほど、それで具体的にはどんな物件を購入されたんですか？
「東京近郊のワンルームマンションです。駅から徒歩10分以内で、家賃相場も高かったので安定した収益が期待できると思って購入しました。頭金は200万円ほどで、残りは銀行からローンを借りました。物件価格は3000万円でしたね」
購入当初の状況と問題の兆候
――物件購入後、どのような生活が始まりましたか？
「最初の数か月は順調でした。入居者もすぐに決まり、家賃収入でローン返済も問題なく行えていました。ただ、半年ほど経ったころに入居者が退去してしまったんです。それが想定外でした。新しい入居者が決まるまでの期間が長引き、家賃収入がない中でローン返済だけが重くのしかかる状況になりました」
――そのとき、どのように対処されたんですか？
「最初は自分の貯金で補填しました。でも、それも限界があって…。管理会社に相談しても、なかなか次の入居者が決まらず、空室が続いたんです。それで焦ってしまって、他の物件を購入して収益を増やそうとしたんですが、それがさらに状況を悪化させる結果になりました」
資金計画の甘さが招いた結末
――新しい物件購入が状況を悪化させたというのは、どういうことでしょうか？
「そのとき、焦っていたせいでしっかりとした計画を立てずに購入してしまったんです。二つ目の物件もローンで購入したので、収益どころか返済額が増える一方でした。さらに空室リスクも高まって、ローンの返済に行き詰まるようになりました」
――収益計画の中でどんな点が見落とされていたと思いますか？
「空室リスクを軽視していたことが一番大きかったです。最初の物件が順調だったから、『次も大丈夫だろう』と安易に考えてしまったんですよね。それから、修繕費や管理費といった維持費用もあまり考慮していなかったです。ローン返済だけでいっぱいいっぱいになり、予想外の出費に対応できませんでした」
失敗からの教訓とその後の生活
――その後、どのように状況を改善されたのでしょうか？
「最終的には物件を売却しました。ただ、売却価格が購入時よりも低かったので、残ったローンを返済するために貯金も全て使い果たしました。それでもローンを完全に返済することはできず、親に助けてもらう形になりました。かなりの損失を抱えてしまったので、精神的にもかなり落ち込みました」
――その経験から、今どのようなことを学ばれましたか？
「やはり計画性の大切さを痛感しました。収益だけを見て甘く見積もるのではなく、リスクをしっかりと織り込んだ計画を立てる必要があるということですね。また、投資において焦りは禁物だということも実感しました。一度冷静になって、信頼できる専門家に相談することが重要だと思います」
同じ失敗をしないためのアドバイス
――最後に、不動産投資を考えている方々に向けて何かメッセージはありますか？
「不動産投資は大きな可能性がある一方で、大きなリスクも伴うものです。物件を購入する前にしっかりとした資金計画を立て、空室リスクや修繕費用など、あらゆる出費を想定したうえで判断することが大切です。そして、もしわからないことがあれば、一人で抱え込まずに専門家に相談するのがいいと思います。焦らず、慎重に取り組んでほしいですね」
まとめ
佐藤健さんの実例から、不動産投資における資金計画の重要性が浮き彫りになりました。
収益だけに目を向けるのではなく、リスクや維持費用まで考慮した計画を立てることが大切です。
失敗を乗り越えた佐藤さんの言葉には、多くの投資初心者にとって大きな示唆があるのではないでしょうか。
このお話が、不動産投資を考えている方々にとって少しでも参考になれば嬉しいです！